チャンネル登録者数18万人YouTuberの収益事情
関口:ぶっちゃけ再生数によるとは言うものの、多分みんなが気になるところで言うと「10万登録者数に行きました。毎日投稿してます。」で、普通の動画とリールっていうところがあると思うんだけど、大体収益で言うとどの位になるの?
テラ:そうですね。それで言うと、登録者じゃなくて再生回数で収益が決まるので、一概にこうとは言えないんですけど。僕の場合だったら、今チャンネル登録者数が15万人ぐらい(※2024年7月3日時点で18万人)いる中で、月の収益で言うと10~25万円の間ぐらいです。圧倒的なバズとかってのがあれば、20万円とか乗りますし。
関口:あとは期末の9月とか12月、3月とかぐらいでちょっと単価が上がるみたいな。
テラ:なので、低い時は11万円とかありますけど、大体10万円の後半ぐらいは入りますね、月に。
関口:あ、なるほどね。
テラ:ただ、YouTubeチャンネルを運営していく中で、今チームでやってたりもするので、CGやってくれる人とか。
関口:そう言ってたよね。
テラ:はい。なので今のチーム体制上、その金額を折半しなきゃいけない。収益を折半した上で外注費を出してたりとか、あとAIのツール使ってたりもするので、動画制作のツールの費用とかで1~2万円とか飛ぶ。
関口:AIツールって、ちなみに何を使ってる?
テラ:Wonder StudioっていうツールとRunwayっていうツールがあって、使っています。Wonder Studioの方だと、実写の動きにCGキャラクター当てられるとか。あとは、AIが自動でその人の動きに合わせてトリミングしてくれて、合成しやすくなったりとかっていうツールを契約してて。それで月に1~2万円とか飛んでくんで。
関口:皆から、YouTuberは今結構大変だっていうのは聞いていて。特に去年か昨年ぐらいに広告単価がものすごく下がったじゃないですか。大手の多くの広告主が、全部広告止めたんだよね。あの辺りから、広告バグっちゃってたイメージがすごくあって皆大変そうだけど。あともう1個が、ショート動画が出てきてから激下がりしてるイメージがあって。なんかもう、広告だけで生きていくって多分無理っていう感じなの?
関口:チャンネル登録者数が100万人いるとかも多分周りいると思うんだけど。
今後、広告収益だけではキツイ?
テラ:まあでも、なんかきつそうっすね、やっぱり。
関口:あ、やっぱもう無理とか。
テラ:無理とまでは言わないですけど、まあ相当波に乗ってないときついだろうなっていう。
関口:今テラ君から見てて、例えばTikTokerとかYouTubeのショート動画出してる人とか、広告だけだと厳しいよねって感じだよね。商品作ってたり、アフィリエイトやってたらまだいけるよねっていう。
テラ:どんな動画出してるかにもよって変わりますけど。例えば、YouTubeで登録者100万人いるチャンネルでも、長尺動画何本でショート何本で…とかってわからないですけど、「月100万円はいけてんのかな、大丈夫かな」ぐらいな感じですね。で、TikTokで数百万フォロワーいても、100万円月に入ってくるのは結構きついと思います。
関口:ああ、なるほどね。なんかさ、前Instagramやってたのよ。フォロワーが10数万人いたんだけど。収益っていうかな、アフィリエイトで400~500万円ぐらい入ってたの。でも、アベレージ今も多分100~200万円ぐらいはあるのかな?それぐらいまではいけたんだけど、やっぱ広告ビジネスは辛くはなってきたな、みたいな。
YouTube運営の目的と現実
関口:だから例えばなんだけど、今後テラ君の場合は「この道で生きてく」っていう覚悟を決めてやっているわけじゃないですか。
テラ:そうですね、まあでも、それで食っていくつもりはないです。マズローの5段階欲求ってあるじゃないですか。その一番上の「自己実現」っていう、「こうなりたい自分」っていうのを成し遂げるためにやってる形なんで。
関口:あ、そうなんだ。
テラ:別にお金入ってきたら嬉しいですけど、どっちかっていうと今は言ってしまえば、大赤字。費用対効果というか、かけてる時間に対して得られるお金のメリットは圧倒的にないんで。だったら他のWeb系の仕事とかコンサルとか、それこそ体操教室に時間かけたりした方が圧倒的にお金にはなります。
テラ:お金稼ぎ目的だったら、YouTubeって自分が演者で何かやるよりも、顔出さない。で、それこそ自分がディレクターになって、企画やる人・構成作る人・台本考える人・ナレーションの人・動画作る人・サムネイル作る人っていう風に分業して顔出さないでやって、そういうチャンネル量産した方が良いんですけど。
関口:AI使ってね、動画は今すごい大量生成されてるもんね。
テラ:はい。そういうのやったりとか。なんならYouTubeじゃない稼ぎ方の方が、お金稼ぎたいっていう目的のためだったら(良い)。やらない方が良いよっていうこともあるので。「じゃあなんでそれやりたいの?」って言ったところが明確にないと。もうこれは経験則なんですけど。
関口:うん。
チャンネルを運用する上で必要なこと
テラ:自分がやっぱ「自己実現をしたい」「100万人登録者がいる自分になりたい」っていうのがあるから頑張ってるのであって。お金にならなくってもやりますし、一番こうなりたいっていうのに達成したいから継続できるっていうのもあるので。そこのところがしっかりしてないと続かない、やめちゃうとかいう。
関口:大体皆が言う「人気者になりたい」「お金稼ぎたい」、そういう思想だと多分ほぼ無理だもんね。
テラ:しかも「登録者がめっちゃいればめっちゃ稼げるか?」って言うとそうでもないんで。だからそれをそもそも知らない。「お金稼ぎたい」と「人気者になりたい」は両立しない可能性がある。ヒカキンさんとかだったら両立してると思うんですけど、数千万人登録者がいてもお金ゼロっていうインフルエンサーは過去にいました。聞いた中でTikTokで1000万人以上フォロワーがいるのに、それはまだTikTokが収益してなかった時ですけど、そんなに登録者いるのに収益にはなってない。
関口:しかも案件もできるものでもない。
テラ:なんか「うわぁ」ってなりましたね。そういうのを見てくると、やっぱり1つの目的のために何かやった方がいい。もちろん複合的に、「人気者になりたい」「お金稼ぎたい」が両方達成できる可能性もあるけど、極論そこはもう捨てるというか。ここを達成したいから、このYouTubeやるとか。
関口:目的は2個じゃなくてどっちか1個だけに絞って、人気者になるんだったらエンタメとかの方入った方が良いとかあるけど。エンタメ行っちゃうと単価低いじゃん。例えば、女の子だったらコスメとか、やっぱりそっちの方がクライアントさんって多いし、そっちで人気者になれれば良いけど。ただ、めちゃくちゃ競合がいる。伸びたらめちゃくちゃお金になるよね。だけど「人気者になれるのか?」って言ったらわからない、とかもあるんで。
テラ:やっぱり目的大事。もう7年目なので、酸いも甘いも経験はしてます。ある程度は一通り。辛いことの方が圧倒的に多いですね。
関口:それを聞いちゃうと夢がなくなるよね。
動画制作の楽しさとYouTuberとしての現実
テラ:いやでも現実そうですよ。僕、中学生とかを職場体験で受け入れてるんですよ。YouTuberの職場体験として学校から依頼が来て中学生受け入れたりとかもしてて。「YouTuberってこんな大変なんだよ」みたいなのを資料作ってプレゼンして、で企画・撮影して。
関口:子どもの夢をぶっ潰す仕事?
テラ:ぶっ潰すではないですけど現実を教えてあげて、その上で「でも。こんなに楽しいし夢があるんだよ」っていうのは伝えてます。だって僕、チャンネル登録者数10万人いって世界が変わりましたもんだって。
関口:だってそれ、生活も変わったじゃん。結婚したから。
テラ:結婚しましたし、もう何よりやっぱ今まで見てたのはもう灰色の世界でしたね。登録者数が10万人いった瞬間に世界に色がつきました。朝起きて家の外出ると、ああ今日も空が青いなっていう。
関口:それさ、あの引退したスポーツ選手みたいな喋り方だよね。もう怪我とか気にしないで朝起きれるんだって思ったら、すごい清々しく起きられます。
テラ:それに近いかも。いややりきったみたいな。でもそのやり切っちゃった感覚のせいで、数ヶ月は停滞しました。一切、YouTubeの登録者数増えず、みたいな。
関口:うん。
テラ:でもそっから「このままじゃいかん」と思って試行錯誤したら、そこから半年ぐらいかけて割とこう立て直しつつはあるんですけど。
関口:なんか聞いてる感じ計画とか戦略はあるけれども、基本的になんか毎日ギャンブル?宝くじ?なんかすごい世界線にいるんだなっていう。
YouTubeは価値のある挑戦
テラ:でもやっぱり伸びた時の中毒性のような。今とかまさにそうで、1日ぐあーんって数千人伸びたりとかがたまたまできてて、そうなったら脳汁フワーって出て。それが常にこの数日間感じてて、でまた落ちて、「うわ。また落ちたガーン」ってなって。またそれを味わいたいがために、もうずっとやり続けている。
関口:それ俺のさ、躁うつの生活と全く同じ状態なんだけど。双極性障害だっけ?
テラ:はい。
関口:アドレナリン出すぎて止めた時に絶望して、「あぁ、やべぇ…」みたいな。
テラ:でもみんなそうなんじゃないですかね。
関口:経営者とか会社やってる人は、一般人に対して11倍その傾向が強いって言ってたから、検査受けたら皆そうなんじゃないかなとは思ってるっていう。
テラ:そこを味わいたいがためにやるっていう。
関口:なるほど。
テラ:僕はYouTubeはそんな感じです。
関口:ありがとうございました。