【売却額数億】 一瞬CVR40%改善したマーケ施策とプログラミングスクール業界No1になれた理由(2/3)

【売却額数億】一瞬CVR40%改善したマーケ施策とプログラミングスクール業界No1になれた理由(23)
大島礼頌
BUBU株式会社代表取締役。株式会社サイバーエージェントキャピタルでシード期に特化したファンドの立ち上げにアソシエイトとして参画。その後リクルートのIT戦略室でデジタルマーケティング業務に従事。WEBCAMP(現DMM WEBCAMP)を創業し、約3億円の資金調達をCEO兼CFOとして実施。その後、2018年に合同会社DMM.comに売却して子会社社長。同社で運営をするDMM WEBCAMPとマケキャンは業界シェアNO.1を実現。エンジェル投資家として20社程の事業の経営に携わる。明治大学社会人講座の講師。茨城県生まれ。趣味は筋トレ、サウナ。
関口拓人
株式会社ハウクレイジー代表取締役。早稲田大学時代、月間数千万PVメディアをゼロから立ち上げた後、株式会社ゲームエイトの創業に参画。2015年株式会社現リクルートに入社後、医療系ECサイト・メディア事業の広告運用・SEOなどを担当。2016年に株式会社ゲームエイト執行役員就任、月間3億PVサイトのSEO・広告事業などを担当。2018年、業界No1プログラミングスクールを運営する株式会社インフラトップのCMO就任。独立後、月間数千万円売上の自社サイト立ち上げ含むメディア運営や累計50サイト以上のマーケティング支援を実施。趣味は釣り。釣具メーカーとのテスター契約経験あり。千葉県印西市出身。
目次

合併後の変化と挑戦

関口:DMMグループにインフラトップがジョインしてからっていうのは、実際どんな感じでした?どんな感じって超抽象的なんだけど(笑)

大島:まず会社の話で言うと、使える予算の額が一気に増えたっていうのは、めっちゃ楽しかったですね。

関口:めちゃくちゃ金使ってたよね(笑)

大島:そう。使うべきところは使わせてもらいましたし、亀山さんは懐の深い方なんで、「こういう目的で、こういう挑戦したいです」っていうところは、すごく(予算を)出してもらいましたし、改善施策じゃなく一気に一番を目指すみたいなダイナミックな施策。その施策を頑張れたっていうのは、すごく楽しかったです。

関口:それってなんかCM打ったりとか?

大島:あ、そうです。

関口:基本的にダイナミックな施策って、マーケ側の方が結構多かったりする?

大島:そうですね、Web CMでローランドさんとか、オリエンタルラジオの藤森さんとか起用した時は、やっぱり結果も出せましたし。お金を使うのは楽しいですよ。

関口:いや、マーケティングのことやってて一番楽しいのは、お金をぶっ放すことだから。間違いない。

ブランド力がもたらす広告への驚異的な変化

関口:DMMってロゴがついたらCPAが…(笑)。CPAが40%下がった。多分CVRが40%上がったってことだと思うんだけど。

大島:いや、そうですね。「ブランド力ってこんなに結果出すんだ」、みたいな。

関口:なんか嬉しかったけど、あの時は落ち込んでたような顔してるイメージがあって。

大島:いや、そうです。こっちは死ぬほど改善回しまくってたのに、WEB CAMPに対して「DMM」って付けただけで売上1.5倍になったんで。

関口:それってもう本当に一瞬?

大島:一瞬です。もう。

関口:ズドーン!みたいな?

大島:次の日から1.5倍。

関口:マジで!いや、すごいねそれ。

大島:やっぱりユーザーの方にとって安心感もあるんですけど、アフィリエイターの方とかもDMMっていうブランド力を知ってるんで、それで(プログラミングスクールを紹介する)順位を上げてくれたり、色んな効果があって上がりました。

関口:だって今の若い子達ってさ、DMMがエロサイトからスタートしてるのって誰も知らないでしょ?

大島:いや、知らないと思いますね。

関口:「DMMってエロサイトだよ」って言ったら、「えっ!?」て言われるから。

大島:うん、そうですね。

関口:もう英会話とか証券とかFXとか、そっちのイメージなんだと思って。

大島:そうですよね。そのおかげで、CPAが40%下がりました。

関口:それまでは俺もどっちかっていうと、刈り取り型の広告とかのマーケティングやってるイメージが多かったんだけど、大島君の話を聞いてから「ブランドか…。なるほどね、こういうことか」みたいな。積み上げた力ってすごいんだな、みたいな。

大島:そうですね。

関口:いや、40%はやばいね。

大島:「ロゴ1個つけるだけでこんなに変わるんだ、今まで何やってきたんだろうな。」って。

関口:いや、本当にそれは。LP改善って何なんだろうみたいな。

大島:(「ここのボタンはやっぱ赤じゃない?」とかABテストをやってたのに…。

関口:それはダイナミックな施策ではあるよね。今、良い面聞いてたんだけど、なんか悪い面っていうところもあった?

事業売却後の苦悩

大島:売却をすると、どうしてもオーナー社長で入ってたので、「社長、潤ったな」って皆が思う。個人が。分かるじゃないですか。

関口:はい。飲み始めたな。

大島:朝、二日酔いでちょっと遅刻しちゃったな、みたいなとかの風当たりが強くなる。みたいな。

関口:売却される前から時々遅れるとか、普通じゃなかった?

大島:僕はそんなに遅刻はしない方なんですけど。多分周りの羨ましいなという気持ちがあって、「僕も日頃、身を正して生活と行動をちゃんとしないと。」と思った。あまり華やかな感じにはしない方が良いと思いました。

関口:なんか人によるイメージがあって、エグジットしても大変そうな人いるわ。なんか風当たりが悪いとか。それは、たまたまなんじゃないのかな?って思っちゃうけどね。

大島:まあ、そうですね。

関口:「従業員からの見え方が変わった」っていうのが一番あったんじゃない?

大島:あったとおもいますね。「いいな」っていう話はすごいされましたし。

関口:なんか数億あってもさ、もう一回会社作って一回投資すると、一瞬で溶けると思う。

大島:いや、そうですね。1億円以下は内に等しい。

関口:いや、溶ける、溶けますね。溶かしました、ちゃんと。

大島:一瞬ですよね?

関口:一瞬!6~7ヶ月ぐらいあれば、きれいに消える。

大島:消えますね。1億円以下は、もう何も安心材料にはならない。

関口:ちょっと挑戦したらパンッて消える。こんなにお金ってすぐ消えるのか

と思って。挑戦しないことの方が実は良いんだろうし、普通の生活送れるよね、みたいな。

大島:うん、そうですね。

関口:そういう社内の見え方問題が…。

大島:特にやっぱ、昔から一緒にやってきたメンバーからすると、僕がめちゃくちゃ貧乏なところから見ていると。僕がちょっとお金を持ったりとか変化が見えるから、複雑な気持ちになる人もいると思うんですけど。途中で入ってくれるメンバーは、その後の僕しか知らないんで、そんな羨望の眼差しとかない。

関口:じゃあ今まで一緒に並んでたのに、飛び抜けちゃうとなんて言うんだろう、嫉妬のようなものが生まれる?

大島:うん、まあ、ありますね。当時付き合ってた彼女とかは、全然喜んでくれなかったですよね。僕が売却をしたこととか、ちょっと資産を手に入れたとか。

関口:なんで?遊んじゃうから?

大島:遊んじゃうとかよりも、嫉妬だったりとか。

関口:なるほどね。そっちなんだ。

大島:「私(当時の彼女)は朝から晩まで働いてこれぐらいの給料なのに、あなたはいいよね」みたいな。全然喜んでくれなかった。

関口:それって生活費とか、家賃をこっちで払ったりとかしてればまあいいんじゃないかなと思うんだけど。

大島:そうそう、全部もちろん払ってたんですけどね。

関口:結構全部払っちゃう人多いけどね。年の差?年の差とかじゃないのか。なんかハイパー赤裸々だけど、これ大丈夫?いろいろ、いろいろやばそうな気がするんだけど(笑)。恋愛相談みたいな。プライベートを公開するってことか。簡単に言うと。

事業売却後、モチベーションはどうなる?

関口:仕事とプライベートのバランス取るの、マジで難しそうだね。モチベーションとかも。

大島:うん、そうですね。

関口:ギリギリで張り詰めてやって、1回パッとお金入って。(その後も)結構長くずっとやってるイメージはあって。

大島:売却後ですよね。売却後も一応やってましたね。

関口:手をがっつり動かすってことは減ったと思うけど、サービスを温かく見守ってる感じが楽しそうだなっていう。

大島:そうですね。上場企業の社長さんたちとよく話すのが、みんな最後に何に喜びを感じるかっていうと、やっぱ「組織拡大」っていう人がすごく多くて。僕も、そこはめっちゃ実感しました。組織を大きくしていくことが楽しいというか、やりがいみたいな。ファミリーがどんどん増えていくような楽しみ。そこのモチベーションが一番大きかったかもしれないです。

関口:それはもう意図して大きくしようって思ったのか、それとも集客がどんどん上手くいって、拡大していかざるを得なくなったのかだと?

大島:サービスが伸びて拡大に入れた。投資的な採用はしなかったですね。正社員の方を。じゃないと、固定費になるじゃないですか。

関口:はい。

大島:テックキャンプとかだと、固定費が大きかったんですよ。多分売上に対しての人件費比率で言うと、僕らでも絶対高い運営をしていた。僕らが上手かったのは、一部を変動費にして、例えば外注さんだったりとか寮だったりとか使って。売上によってコストコントロールできていた。

関口:テックキャンプは社員ばっかだった?

大島:そうですね。正社員主義だったんで。だから、リストラする際にちょっと炎上のような形になった。

関口:はい、はい、はい。

大島:そういう工夫もちゃんとやりつつ、サービスを伸ばせたなっていう。

プログラミングスクール業界No.1を獲った秘訣

関口:2個質問があって。1つは、なんでNo.1になれたのかっていうところ。なんとなく予想はつくんだけど、理由を知りたくて。あともう1つが、その後にマーケとか、他のところに広げようとした理由って何なのかなっていう。

大島:そうですね。1つ目(なんでNo.1になれたのか)に関して言うと明確で、気づいたら競合がどんどん炎上していなくなっていった。全部炎上したかな。みんながどんどん勝手に炎上して、誇大広告や消費者の告発で競合がいなくなっていった。

関口:はい。

大島:一時期ね、情報商材みたいになっちゃったんですよ、プログラミングスクールが。

関口:基本的に「フリーランスなれます」で集めてるプログラミングスクールって炎上する傾向にあるかなと思っていて。それって情報商材に陥りやすい。低単価で申し込みやすいんだけど…正直その質で「フリーランスになれます!」って言ってくる人って結構トラブル起こしがち。

大島:そうですね。「転職できます」「フリーランスできます」っていうスクールが言って、転職の成功率すごく高いですって言ってるけど、「実際そんなことないよね」っていう受講生さんたちの告発が、YouTubeとかX(旧:Twitter)とかNOTE・ブログがすごい広がって、競合さんの元気がどんどんなくなった。

関口:ああなるほどね。シェアってもう市場って決まってるから、シェアの大きいところがどんどん問題起こしてっていう。(プログラミングスクール業界No.1を獲ったのは)そこまで耐える体制とキャッシュがあったっていうとこなのかな?

大島:そうですね。プロダクトはずっと磨き続けてたので自身があった。僕らはプロダクトの落ち度で炎上ってしたことないんですよ。それ自体が結構すごいことなんですけど。

関口:確かに。言われてみると、ないね。

大島:そうなんですよ。ちゃんと生徒さんに向き合って、成果を出すことにコミットしてきたので。周り見たらみんないなくなってた、みたいな。

関口:てか、アフィリエイトあそこまで踏んでいて、炎上したのも確かに珍しいよね。結局はプロダクトっていう。その後にマケキャンやったと思うんだけど、あれってどういうことなのかなっていうの聞きたくて。なんで俺デザイナーの方に行かなかったんだろうなと思ったっていう。

大島:今、世の中に存在していないものを作りたいなっていう、モチベーションが強くて。スクールがまだないから強いモチベーションになった。だから、そこのマーケットを作りたかったっていう気持ちも結構でかいです。

関口:あのマケキャンの初期のマーケの打ち方、めちゃくちゃうまいなと思って。

大島:あれ良かったですね。

関口:一気にみんな来たんだろうなって。

大島:一発で多分1番になれましたし、最盛期だったら多分DMM WEBCAMPの利益の2~3倍出てたと思います。

関口:あ、そんなに。

大島:はい。「マケキャン数本作ったら上場できるじゃん」みたいなっていうぐらい。1番いいときはそのくらいいっていた。

関口:傍から見てて入る気はしなかったけど、「いや何やってんだろう。これは打ち方うまいな」と思って。いろんな人たちの対談とか、バンバンバンバン講座入れてすごいなって。

大島:良かったです。

関口:マーケットが他にないところやろうとしてたからっていう。あれ(マケキャン)って今も続いてんの?

大島:続いてます。

関口:じゃあ普通になんか受講生もいて、みたいな。

大島:はい。そうですね。転職コースもありますね。

関口:あ、転職コースもあって、そのまま講座だけっていうのもあるって感じ。

大島:はい。

関口:ああ、そういうことね。深掘りができないんだよな。俺が受けてないから。

事業売却後、新しく歩き始めた道とは?(3に続く)

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