年商100億規模!D2Cのプロに聞く、勝てるマーケティング戦略とは(2/3)

年商100億規模!D2Cのプロに聞く、勝てるマーケティング戦略とは(2/3)
石田健太
現在、東北大学特任准教授(客員)として活躍中。青森県出身。インターン時代には、営業アシスタント・エンジニアを経験。大学卒業後は、株式会社インタースペースにエンジニアとして入社。主婦向けのコミュニティサイトでJAVA・PHP・MYSQLを用いた開発、生理日管理アプリのandroidを開発。この他、コミュニティサイトのSEO内部対策をリードし、UUを1年で倍増。新卒2年目では、エンジニアを兼務しながら、主婦サイトの記事メディアの編集部立ち上げ初代編集長となり、開始半年で黒字化を達成。2019年には株式会社シロクにて独自のコミュニケーションシステムを開発し、既存の購入者に対してLTVの最大化の実現に寄与。2020年には株式会社ブリーチにて大手EC事業者の成果報酬型マーケティングの支援を実施。豊富な経験と技術力は、多くのビジネス分野で高く評価されている。
関口拓人
株式会社ハウクレイジー代表取締役。早稲田大学時代、月間数千万PVメディアをゼロから立ち上げた後、株式会社ゲームエイトの創業に参画。2015年株式会社現リクルートに入社後、医療系ECサイト・メディア事業の広告運用・SEOなどを担当。2016年に株式会社ゲームエイト執行役員就任、月間3億PVサイトのSEO・広告事業などを担当。2018年、業界No1プログラミングスクールを運営する株式会社インフラトップのCMO就任。独立後、月間数千万円売上の自社サイト立ち上げ含むメディア運営や累計50サイト以上のマーケティング支援を実施。趣味は釣り。釣具メーカーとのテスター契約経験あり。千葉県印西市出身。
目次

転職した理由とマーケターの領域へ進んだきっかけとは?

関口:じゃあ、そこからインタースペースさんで『ママスタ』の運営とかに携わっていて、僕たちが出会ったのが、多分サイバーエージェントの子会社の株式会社シロクさんになると思うんですけど。

石田:はい。

関口:そこから転職をして、ここからずっとEC領域とか本当にゴリゴリのマーケターの方に行くじゃないですか?

石田:はい。

関口:「なぜ転職したのか」とか、「その領域にいこうと思ったきっかけ」って何だったんですか?

石田:実は、メディアでして。やっていたメディアで(僕は)無料で情報発信していて。ありがたいことに読者がかなり増えて、毎日お便りみたいなコメント欄(編集部のメッセージ欄)に、毎日10件とか20件とかすごい感謝のご連絡が来て。「これ読んで本当になんか救われました」とか、「これをきっかけに旦那と仲直りしました」とか。

関口:はい。

石田:それを見て、嬉しいと思うと同時に「もし、お金を払った場合でもこの感謝ってあるんだろうか?」と思って。そこに挑戦してみたかった。

関口:はい。

石田:当時1社目ではアフィリエイトをやっていて、ECのお客さんがいっぱいいたので、自分たちでECとかはできなかったんですよ。そういう領域に進出しちゃうことになるので。

石田:転職して、そういう有料のものでお客さんを喜ばすって体験をさせてみたかった。そこにトライしてみたかったんですね。

関口:制約があったんですね。

石田:そうなんですよ。単純にできなかったんです。

関口:ASPとかでECで、その赤ちゃん向けとかママさん向けに商品を作ってるところに対して、「データ抜いて競合になってしまう」みたいな。

石田:そう。それがあんまり誠実じゃないということで、やらない方針だったんですよ。

「じゃあ、外に出ないとそれはできないな」と思って、当時2社目の株式会社シロクがEC領域に参入し始めたぐらいのタイミングだったので、転職しようと思いました。

関口:取締役を今もやっている石山さんが、「何かやろうと思ってんだよね」とは聞いていたんですよ。そしたら、突然化粧品作り始めてるみたいな。

石田:あ、そうですね。それを聞いてワクワクして転職した、という感じですね。

関口:どういう携わり方で、どういうポジションで、どういう仕事をしていたんですか?

株式会社シロクでは、どんな仕事をしていたか

石田:株式会社シロクに入社した時は、SEOの責任者として入ったんですね。僕の場合、ちょっと色々と誤解があって…。僕は、メディア運営はめっちゃやって、テクニカルSEOもやってたし、コンテンツSEOもやってたんですけど。

関口:はい。

石田:2メディアしかやってないんで、専門家となるほどのレベルではなかったんです。けど、当時はあんまりやってる人もいなくて…。アフィリエイトメディアを多数運営されてたんで、責任者というポジションで最初はメディア事業として入った。

関口:突然、脱毛の比較サイトを作ってたような…。

石田:あ、それ使ったの僕です。

関口:あ、そうですね!なんでやってんだろうと思って。

石田:当時は、アプリのインストールのアフィリエイトをやってましたね。

関口:そこからどんどん立ち上げて、そっちをやりたいっていうことだったじゃないですか?

石田:色んなタイミングがあって、SEOのメディアを3つぐらいやっていて、新規事業で僕がSEOメディアを立ち上げるタイミングがあったんですよ。それで、事業計画を引いていた時に、年間で2,000〜3,000万円ぐらいの売上げになるかなみたいな試算をしてて。それを全社のところで発表したんですね。

石田:そしたら、「いや、目線が低すぎる」っていうことで。当時もう新規事業としても動いてたんですけど、売上として低すぎるってことで新規事業ごと潰れたんですよ。

関口:あ、なるほど。

石田:結果的に黒字ではあったんですけど、ゼロイチで立ち上げた新規事業がもうなくなってしまって。で、何やるかってなった時に、ちょうど化粧品の事業がうまくいき始めたタイミングで、CRM※っていう既存顧客向けの対応があるんですけど、そこが全く宙ぶらりんになってやる人がいないという。

※CRM:製品・サービスを提供する起業と顧客との間に良好な関係を築く手法のこと

関口:あっ!やってましたね!

石田:ということで僕がそこの責任者になったっていう。

関口:ああ、なるほど。

関口:CRMっていう領域なんですけど、実際にやっていたのは複数の職業があって。「物流の責任者」「コールセンター運営の責任者」「既存顧客向けのマーケティングの責任者」

、自社のカートだったんで、カートの仕様を自分たちでCRM用にとか、公式サイトのチャットbot作ったりとか、そういうのも全部自分たちで作っていたんで、そこのPMもやるっていう意味でのCRM責任者でした。

関口:ああ、そういうことだったんですか。別にCRMツールみたいな解析ツールを作っていたイメージでした。

石田:あ、それは別でありました。

関口:そうだと思ってました。

石田:そっちじゃなく、もうカートから全部作ってたので。例えば、1ヶ月で顧客対応向けのチャットボットをエンジニアと企画して公開するとか。元々のエンジニアのバックグラウンドがそこで活きてきて。「こういうデータの引っ張り方したらこうなる」とか。自分でいろんなデータベースをSQLを叩きながらデータ分析して、「ここのポイントに、こういうツールを開発したら売上げ伸びる」とか、「顧客に今こういう問題が起きてるから、こういう機能を開発してクレーム減らそう」とか。そういうのをずっとやっていました。

関口:もう純粋にエンジニアというよりも、ディレクターとかPMの方になっていったんですね。

石田:もう実質、PMみたいなところもありましたね。ただ、売上の責任も持ってたんで、「既存顧客の売上以外で、LTVっていうのをどう最大化するか?」っていうのも持ってました。

関口:なるほど。上場企業で情報非公開なので、言えないことも多いと思うんですけど…。ぶっちゃけ、あの時D2Cに皆が参入していて、時代がそっちに流れていたとは思うんですけど、正直なんであんなに上手く成功したというか。そういう勝ち筋の要因って何だったんですか?

D2Cの勝ち筋とは?

石田:複数あると僕は思っています。商品ももちろん良いんですけれども、タイミングですね。

関口:タイミング。

石田:はい。その当時って、実は結構早かったんですよ。D2Cブームの数年前だったんですよ。皆さんがあんまり着目していないその時期に、コロナの結構前だったんですけど、広告費をガンガンかけて伸ばしきれた。

関口:あ、結構広告回してったんですね。

石田:そうですね。そこが僕は大きいかなとは思いますけどね。

関口:何をやってるかというよりも、本当に純粋に誰も入ってないから、Web面で先行優位性を働かせて、安いCPAで、凄い商品を宣伝する。

石田:そうそう、すごい商品を。ちょうど空いてるポジションに一気に予算を賭けて一気に伸ばしきれた。その市場としても大きいし、相当な売上が作れるゾーンで広告をとにかく注力できたっていうところは、まずやっぱり成功要因としてあるなとは思います。

関口:その後もD2C系・EC系めっちゃ関わっていますが、大切なのは参入なんですか?

石田:色んな説があるんですけれども…。今のD2Cの入り方って自分たちで商品を工場から作らないじゃないですか。OEM先から仕入れてくるってなった時に、どこで差がつくかっていうと結局マーケティングとかだったりするんですよ。

関口:はい。

石田:マーケティングで差がつく時に大事なのは、CPM※とかだったりするんですよ。ってことを考えると、競合が増えるとCPMめっちゃ上がるんで、ROIが合わなくなってくるんですよね。

※CPM:Web広告の課金方法の一つ。広告を1,000買い表示させるのにかかる費用のこと。

石田:そういう意味では、「敵がいないところで一気に勝ち切る」っていうのはまず大事。

関口:あ、じゃあ広告勝負になる前に、金の突っ込み合いになる前に決着をつけて、マーケットのシェアを抑えておかないと。後から入った時に、えげつないことになるから。

石田:そうですそうです。

後発がD2Cで勝つためには?

石田:後から入った会社は、何をやらなきゃいけないかっていうと、高いCPMで合わせられる事業構造にしなきゃいけなくて。例えば、原価を下げるために自社で工場を持つとか、システム代を減らすために自社でエンジニアを囲って自分たちで内製化するとか…。色んな工夫しないと、要はコストで勝てないんですよ。(なので)そういう戦いになる前に、まず参入する。

関口:コスト構造、そうですよね。すごいわかります。

石田:そこでちゃんとある程度行って、(顧客を)獲得できる商品を作ることはもちろん大事なんですけど、その後の環境も結構大事かなと。

関口:元々お金がすごい潤沢で、資産があるところだったら後から入っても無限にかけ続けるといいんですけど…。スタートアップとかで、数億円資金を調達した人達でさえ同じ商品被せてぶっ込みにくるんで…。

石田:厳しいですね。僕はD2Cの世界にこう3社目もD2Cのマーケティングの会社だし、4社目もゼロからD2C立ち上げるみたいなことはやってたんですけど、やっぱ思ったのはマーケティングで勝負すると、マーケティングで勝負つかなくなった時に終わるんですよ。

D2Cで勝つために必要な戦略とは?

関口:難しくないですか?「商品で差をつけないといけない」っていう。それってブランドイメージみたいなふわっとした何かと、明確にブランドってどういうものか定義付けているとしたらなんだろう?信頼とか、そういうところになると思うんですけど。

関口:逆に商品だけでって言っても工場で作る生産コストが変わったら、普通の一般利用者からしたら何もわからないじゃないです。

石田:そうですね。単品リピートって言われる領域で言うと、広告の費用を一定かけて売らないと、売れない構造にどうしてもなっちゃうので。単品リピートっていう構造で戦う場合は、「広告単価をいかに下げるか」っていう戦略が大事ですし、逆に「上げてでも、他の原価や販管費で調整できるような構造」っていうのが大事ではあるんですよ。

石田:もっと大事なのは、「販売チャネルが、EC以外も輸出できるかどうか」っていうのは大事で。例えば、「卸とか自社の店舗だったりとかで戦えるかどうか」に作用するのが商品なんですよね。

関口:ああ、なるほど。じゃあオフラインで戦うためには…。

石田:そう。そうなんですよ。もう、置いといても売れる状態の商品を作らないと、広告をかけなくなっちゃったら…終わっちゃうんですよね。

関口:はい。

石田:そうならないような設計っていうのをいかにするか。「商品として売れるには、どうしたら良いか」っていうと、これは商品開発の話になると思うんですけど…。ニアリーイコール、やっぱ市場でどこのポジションが空いてるかとか、どの価格帯が売れるかとか、その辺のリサーチとかもあると思いますね。

関口:大体マーケティングチャネルでいうと、ディスプレイ広告・インフルエンサーマーケ・あとは、インフルエンサーマーケって、あとはWeb面もそうですかね?ちょっと今、インフルエンサーマーケとアフィリエイトがごっちゃになってると思うんですけど。進出するためにも、そこをやらないといけない。

石田:そうですね。最初は、例えばメタ広告で合わなくなったらLINEに行くとか、Googleに行くとか、もっとマイナーな媒体に行くとかすればいいと思うんですけど。どんどん競合も追いかけてくることになるんで、そうなった時にEC以外でも戦える(事が大切)。

石田:まずモールとかでも良いかもしれないですけど、モールは価格が全然合わないので。広告をかけて売るような商材と全然違うので。モールが難しいとなった時に、いかに高価格帯でデパートとかそういった所で売れるか。

関口:なるほど。

石田:という戦略も大事になると思いますね。

関口:考えたこと、なかったですね。D2C自体のマーケは経験があるんですけど、まだ卸まで行ってるっていうところが1つもないので。その規模まで行かなかったんで、すごい面白い。

石田:そうですね、簡単では当然ないんですけどもね。3社目でマーケティングやっていて思ったのは、マーケティングっていうのは本当に手段だなと。

マーケティングは手段でしかない

石田:いい商品を、勝手に売れる商品を世の中に広めるために時間がかかるじゃないですか。それの広告費で時短するっていうのが、マーケティング。ある意味、効用だなと思っていて。やっぱり、本当に商品ありきなんですよ。マーケティングってある種の主役じゃなくて、サポート役だなっていうのに気が付いたっていうのはありましたね。

関口:商品ありきって言ったら元も子もないんだろけど。

石田:そうなんですよ。でも、いい商品の良さを伝えてないっていうこともあると思うんですよ。マーケターとして重要なのは、「商品が持ってるポテンシャルを最大限伝える」っていうことがまず大事。ただ、価値のアッパーが商品で決まってる。もうちょっと付加価値、ブランディングっていう謎の言葉で、できなくはないんですけれども、不透明だったりとかするんで…。

石田:「商品のポテンシャルを最大限活かし切る」ことが、マーケティングだなと思ってます。ただそれを超えてしまうと、場合によっては実態と合わなくなってくるんで、そこは気をつけながらやった方がいいかなと思います。

関口:で、そこから未上場の時かな?広告業界というか、アド業界だったら多分皆さん知ってた株式会社ブリーチさんに転職されて。

石田:はい。行きました。

関口:今までPMみたいなポジションの方が多かったと思うんですけど、そこからもう完全にマーケターとして?

石田:そう、ゴリゴリのマーケターです。

関口:(マーケター)の方に行ったって感じなんですか?

株式会社ブリーチへ転職をし、マーケターへ

石田:はい。最初入ったのは経営企画だったんですけど。

関口:そうなんですか。

石田:僕はその当時、CRM責任者やっていて、PLの売上げだけじゃなくて在庫の管理とかBSの部分だったりとか。入金・広告と在庫透視を一緒に一発でやってしまうと、一気にキャッシュフロー悪くなるんで、その「内CF的な要素」とかも関わるようになって。

石田:割と財務諸表のほぼ全部に関わるような。財務諸表を直接というよりは、PL・BS・CF全部関わるような考え方をしてたので、より経営に近いところを考えたいなと思って経営企画っていうキャリアを考えてたんですよ。

関口:はい。

石田:そしたら上場準備をしていたんですけど、上場準備をしているタイミングで一番重要なことって資料を作ったりとかもあるんですけど…特にn-2ぐらいの時期って、単純に事業伸ばさないと上場できないんですよね。

関口:はい。

石田:「事業伸ばさなきゃいけない!」っていう感じになって。じゃあ、事業伸ばすためにマーケやりますって。

関口:結局、希望したものはほとんど通ってなかったんですけど。やらされてる。

石田:そう。やらされてるというか、やらざるを得なくて。誰もいないから「じゃあ、(僕が)やる」みたいなことになって、ブリーチって会社の中でマーケもやって。最終的には新規事業の立ち上げ、新規事業と言いながら比較サイトみたいなやってたりとかしました。

関口:自社で比較サイト回していたり、クライアントさんからレベシェアで色々?何社さんもも抱えられて。

石田:あ、そうですね。

関口:単純にプレイヤーに戻ったって感じですか?

石田:もうゴリゴリのマーケッターですね。普通に運用してましたし、デイリーで100~200万円とか普通に使っていたので。そんなキャリアをして、ちゃんとディスプレイ広告の運用を学んだというか、やらざるを得なかったみたいな感じですね。

関口:基本よく追い込まれていますね。

石田:追い込まれてますね。しかも、僕30歳を超えてからマーケターになったんですよ。

関口:すごい珍しいですよね?なんか、若い子たちが「学びたいです」っていう業界の人たちに言って、ここだって言って転職する会社みたいなイメージだったんで。

石田:そうなんですよ。僕もちょっと珍しいなと思っていて。SEOって意味でのマーケはやってましたけど、本当にディスプレイ広告とかちゃんとまともにやり出したのが30歳で。クリエイティブ1日50個作って回して検証してとか、損切りしてとか、記事のライティングもちょこちょこ関わったりとかしてましたから…。割とハードなんですよね。

関口:体力ないとキツイですよね。

石田:そう、普通にハードなんですけど。正直、結構きつかったんですけど、良かったなと思いましたね。

石田:とある支援している会社があっったんですけど、本当に200億ぐらいですかね。1年で伸びた会社を支援していて、新規獲得マーケティングの部分で大きく伸ばした会社だったんですけど、ディスプレイ広告とか有料広告で一撃で100億以上事業を伸ばせるんだっていうのに、そこでマーケ側として関わっていて気がついて。「広告とんでもない力あるな」というのを肌で感じたのは、すごく僕の中で大きい経験でしたね。

関口:100億200億の規模はやばいですね。管理画面、多分土日張り付いていないと…

石田:まあ、なんかとんでもない額が動いてましたね。「うわ、マジか」っていうぐらい、広告使っていました。

関口:ぶっちゃけギャンブルですからね。

石田:デイトレーダーに近い部分はちょっとありますね。

関口:何が当たるんだ当たらないで…。30歳でゼロから学んでって体力が必要ですよね。

新しい領域へ飛び込む際考えていたこと

石田:それは必要ですね。僕が当時考えてたのは、毎年新卒の気持ちで仕事しようと。僕、1社目の時に編集長というか事業責任者やって、そこそこの売上になって。ある種、自分のテリトリーができたんですよ。で、その時に「お山の大将感」を感じてしまって…。このままでいたら、居心地がめっちゃ良かったと思うんですけれども「慢心しちゃうな」というか、そこでちょっと良い気になったら、時代が変わった時にもうぶっ潰せれるなと思ったんで、毎年毎年新しいことやってこうと自分の中に課していったんですよね。

関口:なるほど。

石田:っていうので、割と新しい領域に対してはストレスはあるんですけど、まあなんとか頑張れる。

独立して大学教員になった理由とは(続く)

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