ChatGPT検索に自社サイトを出す方法——国内61社の対応率を実測

ChatGPTが検索プラットフォームとして存在感を増しています。2026年7月にはChatGPT広告にコンバージョン入札や地域除外が追加され、広告プラットフォームとしての機能が急速に整い始めました。
広告が本格化すれば、オーガニック(自然表示)の価値も上がります。Google検索と同じ構図です。では、ChatGPT検索に自社サイトをオーガニックで表示させるには、何をすればよいのか。
結論から書きます。OpenAIの「検索専用ボット」を許可する必要があります。そしてこのボットの存在を知っている日本企業は、ほとんどいません。当社が国内61社のrobots.txtを実測したところ、検索専用ボットを正しく管理していたのはわずか1社(1.6%)でした。SEO会社やマーケ支援会社に限ると0社です。
ChatGPT検索の話をすると「対応したい」という企業は多いのですが、具体的な設定を聞くと誰も答えられません。OpenAIのボットが4種類に分かれていること自体、知られていないのが実態です。
OpenAIのボットは4種類ある
ChatGPT検索に自社サイトが表示される仕組みを理解するには、OpenAIが運用する4種類のボットの違いを知る必要があります。
OpenAI公式の「Bots」ドキュメントによると、各ボットの役割は以下のとおりです。
| ボット名 | 役割 | robots.txtで制御できるか |
|---|---|---|
| OAI-SearchBot | ChatGPT検索の結果にサイトを表示するためのクローラー | できる |
| GPTBot | AIモデルの学習データ収集用 | できる |
| ChatGPT-User | 利用者がChatGPT上でURLを指定した際のページ取得 | 制限的※1 |
| OAI-AdsBot | 広告のランディングページ検証用 | 不要(広告主のページのみ) |
最も重要なのはOAI-SearchBotです。このボットがサイトをクロールできなければ、ChatGPT検索の結果にサイトは表示されません。GPTBotを拒否しても、OAI-SearchBotを許可していれば検索には出せます。逆に、GPTBotと一緒にOAI-SearchBotまで拒否してしまうと、ChatGPT検索から消えます。
この2つのボットを独立して制御できる点が、多くの企業に知られていません。
国内61社を実測した結果
当社は2026年7月に国内企業61社のrobots.txtを調査し、OpenAIの各ボットへの対応状況を確認しました。対象はBtoB SaaS、メディア、テック/EC、マーケ支援会社など多業種にわたります。
| 対応状況 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| AIボットの記載なし(デフォルトのまま) | 55社 | 90% |
| GPTBotのみブロック(OAI-SearchBotを知らない) | 5社 | 8% |
| OAI-SearchBotを正しく区別して管理 | 1社 | 1.6% |
90%の企業はAIボットに関する記載がありません。これは「意図的に許可している」のではなく「判断した形跡がない」状態です。結果的にOAI-SearchBotは許可されていますが、GPTBot(学習用)も同時に許可しています。つまり知らないうちにAIの学習データとして使われていることになります。
GPTBotをブロックした5社は、学習への利用は拒否しています。しかしOAI-SearchBotの存在を知らないため、「学習は止めたが検索表示は制御できていない」状態です。
唯一OAI-SearchBotを正しく管理していたのはNewsPicksです。GPTBotは全面拒否しつつ、OAI-SearchBotには特定のコンテンツだけを許可する設計でした。「学習には使わせない。ただし検索での引用は特定パスに限り許可する」という判断です。この区別ができている企業は、61社中1社でした。
SEO会社やマーケ支援会社に限った調査(18社)では、OAI-SearchBotを認識していた企業は0社です。「ChatGPT検索への対応方法」を教えるはずの側が、自社サイトで実施していません。
今すぐ確認すべきこと
ChatGPT検索に自社サイトを表示させるために、以下の3点を確認してください。
1. robots.txtでOAI-SearchBotを許可しているか
まず自社サイトの robots.txt を確認します。ブラウザで https://自社ドメイン/robots.txt を開くだけです。
以下の3パターンに分かれます。
| パターン | 状態 | やるべきこと |
|---|---|---|
| AIボットの記載がない | 全ボット許可(学習も検索も) | 学習を止めたいならGPTBotだけをブロック。OAI-SearchBotには触れない |
| GPTBotをブロック済み | 学習は拒否。検索も制御したい場合はOAI-SearchBotの設定が必要 | OAI-SearchBotを明示的にAllowする行を追加 |
| User-agent: * で全面ブロック | 全ボット拒否(ChatGPT検索にも出ない) | OAI-SearchBotを個別に許可する |
推奨する設定例:
# AIモデルの学習には使わせない
User-agent: GPTBot
Disallow: /
# ChatGPT検索には表示させる
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
この設定により、自社コンテンツがAIの学習データとして使われることは防ぎつつ、ChatGPT検索の結果には表示される状態を作れます。
2. Bingにインデックスされているか
ChatGPT検索はBingの検索インデックスも参照しているとされています。Google検索には表示されていても、Bingにインデックスされていなければ、ChatGPT検索で不利になる可能性があります。
Bingで site:自社ドメイン と検索し、主要ページがインデックスされているか確認してください。表示されない場合は、Bing Webmaster Toolsへの登録とサイトマップの送信が有効です。
3. コンテンツがAIに引用されやすい形か
ChatGPT検索に表示されるだけでなく、回答の中で引用される(ソースとして提示される)には、コンテンツの構造が重要です。
- 結論を冒頭に置く(AIが回答を組み立てるとき、最初の数段落が優先される)
- 1つのパッセージに1つの主張(要約しやすい塊にする)
- 数字・固有名詞・出典を明記する(事実に基づいた回答の根拠にされやすい)
これはSEO施策でも推奨されている構造と同じです。Googleの検索結果で強調スニペットに選ばれやすい書き方は、ChatGPT検索でも引用されやすい書き方に重なります。
注意すべき落とし穴
GPTBotを止めたら検索も消える、という誤解
GPTBotをブロックしても、OAI-SearchBotを明示的に許可していれば、ChatGPT検索には表示されます。2つは独立したボットです。しかし両方をまとめてブロックするrobots.txtの書き方をしている企業が少なくありません。
# これだとChatGPT検索からも消える(よくある間違い)
User-agent: GPTBot
Disallow: /
User-agent: OAI-SearchBot
Disallow: /
「AIに学習されたくない」という意図で書いたつもりが、ChatGPT検索の露出も失っているケースです。
「AI全部ブロック」は簡単ですが、検索からの流入も捨てることになります。学習と検索を分けて判断するのが、今の正しい設計です。
ChatGPT-Userはrobots.txtを無視する場合がある
OpenAI公式ドキュメントには、ChatGPT-Userについて「利用者によって開始されるため、robots.txtルールが適用されない可能性がある」と記載されています。つまり、利用者がChatGPT上でURLを直接指定した場合のアクセスは、robots.txtで完全には制御できません。
これはGoogleのユーザートリガー型フェッチャー(Google Search Consoleの「URL検査」など)と同じ考え方です。
流入の計測には別途設計が必要
ChatGPT検索から自社サイトへの流入は、標準のアクセス解析だけでは取りこぼしが出ます。ブラウザ版のchatgpt.comからの遷移は参照元付きで計測できる場合がある一方、モバイルアプリからの遷移やURLのコピー&ペーストは「直接」流入に分類されるためです。AI経由の流入をどこまで捕捉できているかは、参照元の内訳やサーバーログと突き合わせて確認する必要があります。
「ChatGPT検索に出す」のは設定で対応できます。しかし「出た結果」の計測は、標準のアクセス解析だけでは取りこぼしが出ます。出す設定と測る設計はセットで考えるべきです。
まとめ
- ChatGPT検索に自社サイトを表示させるには、OpenAIの検索専用ボット「OAI-SearchBot」を許可する必要がある
- OpenAIのボットは4種類あり、学習用(GPTBot)と検索用(OAI-SearchBot)は独立して制御できる
- 国内61社を実測したところ、OAI-SearchBotを正しく管理していたのは1社(1.6%)。SEO/マーケ支援会社18社に限ると0社
- やるべきことは3つ: ①robots.txtでOAI-SearchBotを許可 ②Bingにインデックスされているか確認 ③コンテンツをAIに引用されやすい構造にする
- GPTBot(学習拒否)とOAI-SearchBot(検索許可)を分けて設定するのが現時点の正しい設計
用語について
※1 ChatGPT-User: 利用者がChatGPTの画面上でURLを入力したり、「このページを読んで」と指示したときに動くボット。利用者の操作がきっかけのため、robots.txtの制御が効かない場合がある。Google検索のURL検査ツールでクロールしたときに、robots.txtのブロックが効かないのと同じ考え方。
出典
- OpenAI「Bots」公式ドキュメント(2026年7月29日確認)
- Search Engine Land「ChatGPT Ads adds conversion bidding, geo exclusions and bulk campaign tools」(2026年7月26日公開)
- 当社独自調査: 日本企業61社(マーケ支援25社+BtoB SaaS/メディア/テック/EC 43社)のrobots.txt OAI-SearchBot対応状況(2026年7月27日〜29日 curl取得)
執筆者
関口 拓人
代表取締役
早稲田大学在学中にメディアを立ち上げ、ゲームエイト創業に参画。リクルートを経てゲームエイト執行役員、インフラトップCMOを歴任後、独立。月間数千万円売上の自社サイト立ち上げを含む、累計50サイト以上のマーケティング支援実績を持つ。
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