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クロール済み・インデックス未登録は直すべき?Google公式の読み方

クロール済み・インデックス未登録は直すべき?Google公式の読み方

Search Console※1の「ページのインデックス登録」レポートを開いて、「クロール済み - インデックス未登録」に数百ページ溜まっているのを見て焦る——サイト運営者なら一度は通る場面です。検索すると「原因と解決方法」を説明する記事が上位に並びます。

しかし結論を先に書きます。Googleの公式見解は「このレポートを修正すべきリストとして見ないでほしい」です。2026年7月16日公開の公式ポッドキャスト「Search Off the Record」で、Google検索チームのJohn Mueller氏とMartin Splitt氏がこのレポートの読み方だけを30分かけて語りました。そこで明かされた事実が象徴的です。

Google自身の開発者向けドキュメントサイトも、インデックスされているのは全ページの約5%——それで「完全に正常」だと。

この記事では、一次情報(英語の公式文字起こし)を精読し、「未登録」の何が正常で、何が本当の異常なのかを、明日レポートを開いたときに使える形で整理します。

関口拓人
関口拓人

結論から述べます。未登録の数を減らすことは、SEOの目標ではありません。見るべきは数ではなく、急な変化のパターンです。

「未登録」は何を意味するのか

「クロール済み・インデックス未登録」は、Googleが「ページの存在を知っていて、今は登録を見送った」状態。エラーコードではない。

まず用語を正確に押さえます。Search Consoleの「ページのインデックス登録」レポートには、似た2つの状態があります。

状態意味
検出 - インデックス未登録Googleは存在を知っているが、まだ訪問していない
クロール済み - インデックス未登録Googleは訪問したうえで、インデックス登録を見送った

エピソード112でMueller氏は、後者をGoogle側の視点でこう説明しています。

Which from our point of view is basically our system saying we know about this. And once we're happy—we looked at it—once we're happy, we will take another look and see if we can index it.

(私たちから見ればこれは「把握しています」というシステムの表明です。納得できる状態になれば、もう一度見に来てインデックスできるか確認します)

重要なのは次の一言です。

It's not that you need to fix this technical issue that Google is not indexing this page at the moment.

(「Googleが今このページをインデックスしていない」という技術的問題を直す必要がある、ということではありません)

つまり「未登録」は、404のような技術的エラーとは種類が違います。直す対象ではなく、Googleの関心度を映す指標です。

Googleが語った「正しい読み方」

修正リストでも在庫一覧でもなく、「予想外の変化」を探すレポート。これがSearch Consoleチーム自身の見解。

エピソードの核心は、Martin Splitt氏が紹介したSearch ConsoleチームHillel氏の言葉です。

"Oh, I wish people would not look at it as a list of things to fix."

(「このレポートを『修正すべきもの一覧』として見ないでほしい」)

では何を見るのか。Splitt氏の整理はこうです。

It's not like, "Is this indexed? Is this not indexed?" It's a different thought. It's like, "Is the site in the index doing what I expect it to do?"

(「このページは登録済みか未登録か」ではなく、「サイトはインデックス上で、自分の意図どおりに動いているか」を見る)

具体例も挙げられています。サイト移転でリダイレクトを設定すれば「リダイレクトあり=未登録」が急増しますが、それは設定が反映された証拠であり、正常そのもの。ページを大量に削除すれば404が急増しますが、Mueller氏いわく——

if you're removing things from the web or if these pages never existed, they're supposed to return an error. That's actually the right thing.

(ウェブから物を消したのなら、エラーを返すのが本来の姿です。それが正しい動作です)

404が「エラー」と表示されるのは、それがエラーだからです。ただし予想どおりのエラーは良いエラー——ここが、レポートの表示ラベルだけを見ていると誤読するポイントです。

インデックス率という指標は存在しない

もうひとつ、多くの解説が触れない公式見解があります。Splitt氏の発言です。

there's no such thing as a ratio between indexed and non-indexed pages. (中略) I've seen so many healthy websites that have like a million non-indexed pages and like half a million that are in the index and they are doing perfectly fine.

(インデックス済みと未登録の「比率」という指標は存在しません。未登録100万ページ・登録50万ページで完全に健全なサイトをいくつも見てきました)

これを受けてMueller氏が明かしたのが、冒頭の数字です。

When I take a look at the Search Console for our developer documentation, for example, I think it's something like 5% of the pages are indexed.

(たとえば私たちの開発者向けドキュメントのSearch Consoleを見ると、インデックスされているのは全ページの5%程度です)

Google自身のサイトで5%。重要なコンテンツはすべて登録されており、それで問題ない——「未登録ページ数」や「インデックス率」をKPIにすること自体が、レポートの誤読だということです。

関口拓人
関口拓人

「Search Consoleを常に緑にしろ」という指示は、上司側の誤解です。私たちはクライアントへの月次報告でも、未登録の総数ではなく増減のパターンだけを見ています。

日本語の解説記事はどう書いているか

上位記事の大半は「未登録=修正すべき問題」前提。Google公式の「そもそも直す対象ではない」という視点は少数派だった。

「クロール済み インデックス未登録」で検索上位に出る日本語記事9本を精読し、Google公式見解と一致しているかを判定しました(2026年7月21日時点・当社調べ)。

判定軸該当記事数
「修正すべき問題」という前提で構成されている7 / 9
「未登録が正常な場合もある」に言及している5 / 9
「全ページのインデックスは不要(率は指標にならない)」に言及2 / 9
未登録の背景にサイト全体の品質評価があることに言及5 / 9
著者自身の実測データを載せている1 / 9

修正手順(品質改善・重複統合・正規化タグなど)の解説はどの記事も丁寧で、「正常な場合もある」という注記も過半数にあります。ただし記事の骨組みは9本中7本が「問題→原因→解決方法」の型で、Google公式が最初に置いた前提——「修正リストとして見ない」「インデックス率という指標は存在しない」——から書き始めた記事はほぼありませんでした(「全ページの登録は不要」への言及は2本のみ)。

誤解のないように書くと、上位記事の修正手順自体は間違いではありません。問題は順番です。「直すべきかどうかの判定」を飛ばして「直し方」から入ると、正常な状態に工数を注ぎ込むことになります

本当に直すべき異常はこれ

慌てなくていい「未登録」と、放置するとSEOを壊す「本物の異常」の見分け方。公式見解から4つに整理。

エピソードでは「これは対処すべき」というケースも具体的に語られています。逆に言えば、以下に当てはまらない未登録は、ほぼ様子見で構いません。

① 急な変化で、心当たりがないもの

正しい単位は「数」ではなく「傾向線」です。リダイレクトや削除など自分が起こした変化なら正常。自分が何もしていないのに404・403・別ページへの正規化※2が急増したら、調査対象です。

② CDN※3やホスティングのボット対策が誤爆しているケース

Mueller氏が「見張る価値がある」と具体的に挙げた異常です。CDNのボット保護がGooglebotを疑い、404や403を返してしまう。さらに厄介なのは「あなたはロボットですか?」という確認画面を正常ステータス(200)で返す設定で、この場合ページの中身が確認画面に置き換わってインデックスされたり、同じ確認画面を持つ他人のページが正規URLとして選ばれたりする——Mueller氏はこれを「SEOをまるごと台無しにするソフトブロック」と呼んでいます。ユーザーとしてアクセスすると見えないため、気づきにくい異常です。

③ サイト全体で品質評価が下がっているシグナル

技術的な理由がないのに未登録が広範囲に増え続ける場合、Mueller氏は「サイト全体の品質を一歩引いて考える必要がある」と述べています。

if we have strong concerns about the overall quality, then it doesn't make much sense for our systems to spend a lot of time on the website. So we'll probably crawl a lot less, we'll index a lot less.

(サイト全体の品質に強い懸念があれば、私たちのシステムがそのサイトに時間を使う意味は薄くなります。クロールもインデックスも大きく減らすでしょう)

例として挙げられたのが、AI生成コンテンツを大量公開したサイトです。「誰にでも書けた。何も教えてくれない(Anyone could have written this. This tells me nothing.)」と判断されるページの量産は、個別ページではなくサイト全体のクロール・インデックスを絞らせます。この場合の対処は技術修正ではなく、コンテンツの取捨選択です。

④ 1日以上続くサーバーエラー

数時間の瞬断はGoogleも「一時的なもの」として無視します。Mueller氏によれば、目安は1日。丸1日を超えて続くエラーにはシステムが反応し始めるため、そこからは実害です。

直したら「修正を検証」を押す意味

なお、②のような本物の異常を直したときは、レポートの「修正を検証」ボタンに実利があります。Mueller氏いわく、Googleは申告されたページのサンプルを再クロールし、直っていることを確認できれば残りのページの再クロールを早めるとのこと。逆に、直していないのに押しても何も起きません。

関口拓人
関口拓人

判定の順番はこうです。①自分が起こした変化か ②ボット対策の誤爆か ③品質のシグナルか。技術・コンテンツのどちらの問題かを先に切り分けてから、工数を投じてください。

まとめ

  • Google公式(Search Off the Record エピソード112・2026年7月16日公開)の見解は「インデックスレポートを修正リストとして見ない」
  • 「クロール済み・インデックス未登録」は技術エラーではなく、Googleの関心度を映す指標。数を減らすことは目標にならない
  • インデックス率という指標は存在しない。Google自身の開発者向けサイトも登録は約5%で正常
  • 見るべきは総数ではなく「自分の意図と違う急な変化」。①心当たりのない急増 ②ボット対策の誤爆(200で返る確認画面は特に危険) ③サイト品質のシグナル ④1日以上続くエラー——この4つだけが対処対象
  • 日本語の上位解説の多くは「修正すべき問題」前提で書かれており、「直さなくていい場合」の線引きこそが実務で最初に必要な判断

用語について

※1 Search Console … Googleが無料提供する、検索での自サイトの見え方を確認する管理ツール。

※2 正規化(カノニカル) … 同じ内容のURLが複数あるとき、Googleが「代表」として1本を選ぶ仕組み。

※3 CDN … サイトの表示を速くするためにコンテンツを代理配信する仕組み(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)。ボット対策機能を持つことが多い。

出典

Search Off the Record, Episode 112(Google Search Relations・2026年7月16日公開)

同エピソード公式文字起こし(PDF)

・日本語上位9記事の内容分析は当社実測(2026年7月21日)

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